HELL EATER, SIDE OF GUYROS EMPIRE, DARK FORCE USE.
ヘルイーター





口腔に設置されたレーザーキラーファング。
破壊力自体はさして強力とはいえない。
主に敵ゾイドの関節部などを鋭く尖った牙で刺突することで
内部電気系統をショートさせる目的に使われる。
むしろ格闘戦での主力兵装は、脚部に設えられたハイパーキラークローである。



主武装が集中的に配置されている背部。
射撃武装を近接して置くことで、照準などの射撃管制システムを一元化しようという意図によるものである。
機体の動揺から完全に独立したかたちで標的を補足できる。



コクピット周辺。
ディロフォースで指摘されていたコクピットの不備
(コクピットユニットが外部に露出していたため、パイロットが危険に晒されるしまう)を
改善するために、新規の設計となっている。
ディロフォースに比べれば安全性は向上しているものの、
それでも心許ない構造であることに変わりはない。



尻尾自体がスタンウィップテイルと呼ばれる兵装になっている。
スタンウィップテイルに接触した敵ゾイドは、
一時的にコンバットシステムとゾイドとのリンクを断ち切られ機能不全に陥ってしまう。
フレキシブルに可動し、背後の対象を絡め取ることも可能だ。



単体での戦闘能力は決して強力ではない。
しかし、この機体の真価は集団戦において発揮されるのだ。
集団で一撃離脱戦法を駆使すれば、大型ゾイドを屠ることすらできる。
特に、自らの死を恐れぬスリーパー(無人)仕様のヘルイーターは、
対峙する共和国兵士にとって厄介な代物だったようだ。



頭部に装備されたイヤーレーダーとネズミ型ゾイド特有の追跡能力で、
偵察や奇襲など様々な任務をこなす。





ヘルイーター
HELL EATER

●簡易量産型ゾイド“ヘルイーター”開発の経緯
元来、ガイロス帝国は大型ゾイドのみによる部隊構成を基本としていた。
ZAC.2051年、虎視眈々と中央大陸の覇権を狙っていたガイロス帝国は、 ゼネバス帝国との長年に亙る戦争(中央大陸戦争)に疲弊しきっていたヘリック共和国に対して 宣戦布告を行う(この戦役は後に大陸間戦争と呼ばれる)。
この時、中央大陸侵攻の主力部隊であったガイロス帝国暗黒軍団の装備する機械獣は、 最も配備数の多い歩兵ゾイド“ヘルディガンナー”ですら、全長24.5mとかなり巨大であった。
ガイロス帝国軍は何故こうも大型の機械獣ばかりを配備していたのだろうか。
それは中央大陸戦争後期、ゼネバス、ヘリック両国家の戦闘機械獣が大型化 ―いわゆる恐竜的進化―を遂げていたことに対応してのことでもあったが、 また、ガイロス帝国のお家事情に起因することでもあった。
周知の通りガイロス帝国は超科学力と優秀な軍人を擁する惑星Zi最大の軍事大国である。
しかし、国家を構成する人種の多数を占める地底族系の人々はもともと人口が少なく(地底族は そもそも少数精鋭的な気質をもった部族であった)、 また、暗黒大陸という過酷な環境下では新生児の出生率も非常に低かった。
そのため、一人一人の能力でいえば優秀なガイロス帝国軍人であったが、 慢性的な人員不足に悩まされていたのだ。
これをガイロス帝国はゾイド一機あたりの戦闘能力の向上…つまり大型化で対処した。
我々地球人の兵器の概念においては 大型化=強力、という図式が成り立たないことは明白である。
だが惑星Ziでは大きく事情が異なる。
まずひとつは戦闘機械獣ゾイドの特性による。
ゾイドと地球上の戦闘車両、戦闘機、戦闘艦などは根本的に性質が異なるのだ。
次に惑星Zi人の気質。
惑星Ziの人々は地球でいうところの“騎士道精神”のようなものを尊重する傾向にあった。
これは中世的な時代が長く続いたためと、 地球人によってもたらされた急激な近代化の結果である。
精神活動は中世レベルのまま、あまりにも強大な力を手に入れてしまったのだ(これらは 全て地球人来訪の功罪である。そして、 この惑星に今尚続く戦争をもたらしたのも、我々地球人である)。
そのため、ガイロス帝国では戦略レベルでの能力よりも、 戦術レベル、単機での戦闘能力が重視されたのだ(もちろん戦略が全く無視されていた訳ではない。 だが、最終的には痛み分けとなった大陸間戦争がその後も続いていたならば、 ガイロス帝国は敗れていただろうという論文がヘリック共和国戦史研究所主任研究員 ローランド・S・ハワード・ミューラーによってZAC.2088年、発表されている。 この説は、ヘリック共和国がかなり早い段階で地球人の“戦略”を取り入れていたのに対し、 ガイロス及びゼネバスは頑なに前時代的な戦法に固執していた、という考えを論拠としている。 ガイロス帝国は強力な戦闘機械獣と優秀な軍人を擁していたが、 一種の“おごり”のようなものがあったのは事実であった。 彼らは自らの理念を曲げることを潔しとはしなかったのだ。(しかし、 この論文が“ヘリック至上主義”で知られるミューラー氏によって 書かれたものだということも考慮すべきではある)。
このガイロスの大艦巨砲主義的な体質が大陸間戦争の終結までに変わることはなかった。

そしてZAC.2101年。
来るべき共和国との暗黒大陸本土決戦に備えて開発、量産された戦時省力型簡易量産機、 それが“ヘルイーター”である。
惑星Zi史上最大の戦闘国家と謳われるガイロス帝国であったが、ZAC.2056年の大異変以降、 その国力は三分の一にまで低下したといわれている。
そのため以前のような大型ゾイド中心の部隊構成は不可能となっていた。
また、戦いは長期化する見込みであり、そうなると純粋な意味での国力は共和国に劣る帝国は “息切れ”をおこす恐れがあった。
それらを踏まえ、帝国首脳部は安価かつレブラプターと同等、またはそれ以上の性能を有する 新型機獣の開発を要請した。
ないものねだり的な首脳部の要請に応えるかたちで、 技術部による簡易量産型ゾイドの開発は始まった。
まず、帝国技術部は開発母体としてネズミ型の野生体を選出した。
暗黒大陸に多く生息しており、ゾイドコアの入手が容易なためである。
それに加え、 小型の割には闘争心(これは戦闘用ゾイドにとって重要な要素である)も旺盛であった。
ゾイドコアの出力自体はレブラプターの三分の一程度に過ぎなかったが、 生産性の良さを優先したためそれは無視された。
また、アイゼンドラグーンに配備されていることでも有名な 超小型高速ゾイド“ディロフォース”の車体フレーム及び外装を一部流用。
これにより生産コストの大幅な削減に成功した。
主武装である背部ビーム砲もサーベルタイガー(セイバータイガー)用アサルトユニットの 生産ラインを使用し量産されている。
他の武装に関しても、現存のラインを流用することで積極的なコストダウンが成されている。
当初オーガノイドシステム搭載も検討されたようだが、 コストの問題と今になって噴出したOSの問題点(完成形OS搭載ゾイド“デススティンガー”の 暴走事故など。そもそもブラックボックス的色合いの強かったOSを 騙し騙し運用していたことの“ツケ”ともいえるものであった) もあって、結果的には見送られた。

完成した簡易量産型戦闘機械獣は当初の目標には遠く及ばぬロースペックになってしまったが、 生産コスト自体はレブラプターの四分の一、ディロフォースの二分の一程度に収まった。
これは首脳部からすれば屈しがたい魅力であったし、 技術部も大量生産、配備することでレブラプター以上の戦果を挙げることができると主張した。
それに、当機はスリーパーシステム搭載を念頭に置いて開発されていたため、 少子化による慢性的なパイロット不足の帝国にとっては願ってもないものであったのだ。
そういった背景もあって、 当機はZAC.2101年、ヘルイーターと命名され量産が開始されたのである。


●ヘルイーター
タイプ:ネズミ型
全長:m
全高:m
戦闘重量:14.5t
最高速度:205km/h
乗員:一名
武装:レーザーキラーファング
    ハイパーキラークロー×2
    スタンウィップテイル
    AEZ20mmビームガン×2
    AZビームキャノン
    赤外線レーザーサーチャー

低コストかつ高性能という目標のもと開発された戦闘機械獣。
それがヘルイーターである。
機体がコンパクトな設計であるため、 物陰に隠れての待ち伏せや奇襲を得意とする(惑星Ziにおいても高度な レーダー技術―それこそ現在の地球を上回る―が存在するのだが、様々な要因により実戦では有視界戦闘に頼らざるを得ない 状況が多々あった)。
一機一機の戦闘能力は微々たるものであるが、数にものをいわせた集団攻撃により 敵機を翻弄する。
ある共和国軍の兵士はこんな発言を残している。
“あいつが一機だけなら心配に価しない。 あいつが五機でも大したことではない。 あいつが十機だったなら身構えろ。 あいつが二十機いたなら諦めろ。”
(この詩?のようなものは、前線の友人に病床の筆者が送った手紙の中の一文) 最高速度こそ並み居る高速ゾイドに劣るものの、 瞬発的な加速力や急速旋回能力などは目を見張るものがある。
また、当初から少子化によるパイロット不足を念頭に置いて開発されたため、 スリーパーシステムの搭載も容易な設計となっている(これには ザバットの設計が流用されたといわれている)。
一撃離脱を繰り返しながらじわじわと標的を追い詰める戦い方から、 共和国兵士は本機を“half killer(生殺しの意)”と呼び、交戦を嫌ったという。
戦時中共和国軍に従軍していたノンフィクション作家エル・エメルソンは当機を “ある意味デスザウラーよりも厄介だ”と評している。


ディマンティス、マッカーチスを第一弾として発売された無可動ゾイドのひとつ、ディロフォース。
“動かないゾイド”ということで、ファンの間でも評価が真っ二つのシリーズなのですが、 私は結構好きだったりします。
(個人的好みでいえばディロフォース&グランチャーの設定は勘弁して欲しかったところなのですが、まあ飽くまで個人的にです)
“なかったこと”かのように自然消滅の憂き目にあってますけれど、
無可動ゆえ低価格&小ぶりということで、沢山コレクションするのにも向いていますし、
塗装してバリエーションを作ったり、改造するには打って付けのシリーズ…だったと思うんですけどねえ、私は(笑)。

と、いうことで今回はそのディロフォースを改造して なんちゃってオリジナルゾイドをでっち上げてみました。
製作動機は前述した考えを実践してみる!ということと、
ディロフォースをじーっと眺めていたら『なんとなーくネズミに見えなくもないなあ』と 思ったことからです(笑/実は後者が先で、
実践してみる!などというのはかっこつけたいがために後づけした理由だったりする)。

例によって完成は大昔です(笑)。
レブラプターと同時進行で作ったので、 こいつも2003年6月ごろ完成だと思います…ってうわあ、一年間放置してたってことか(汗)。

下の写真を見ていただければ一目瞭然だと思いますが、
実はあんまりカタチ変わってません。

ナナメ前から。
カラーリングは例によって暗黒軍カラー。だって好きなんだも〜ん。
実は激しく塗装失敗しているのですが、写真だとわかりませんね、良かった良かった。
製作するにあたって、資料などは全く見ていないので、実際ネズミってこんなじゃないかも知れません。
Shi-Shiのイメージです、イメージ(笑)。


横から見るとどこが同じか、どう違うかってのがよりわかりますね。
具体的にはトサカ、エリマキを切除、耳をWAVEのサポートパーツからでっち上げ、 角(アンテナ?)を前歯に流用、
手首の角度を変えて接着、脚を短くカット&BJ化、お尻のノズルのような場所を開口して しっぽを取りつけています。
しっぽはパイプスプリングにポーズをつけられるよう、ハリガネを通しただけのものです。
足首はBJ化する必要もなかったのですが、Shi-Shiは『BJ=偉い』という思想に染まっちゃってるんで(笑)、取り敢えずBJです。
しかし、ポーズ付けという意味では、『足首が横に開く』というのは結構重要だったりします。ネズミっぽさという意味でも。
判り難いところでは少しだけ首を短くしてます。でもこれも、簡単な工作で済んじゃいました。


こくぴっと。
接着するのを忘れていたため、着脱できます。というか勝手に取れます。
撮影中もポロポロ取れて大変でした(接着しましょう)。
コクピット自体はユージンからいわゆるガチャガチャで発売されたコマンドゾイド(昔風に いうとアタックゾイド)の
共和国側エビ型ゾイド(名前失念)をダイナミックに流用。
WAVEのディテールアップパーツを使ってデコレートしたりしてますが、 ネタ元バレバレでかえってカッコ悪いかも(笑)。
背部武器は全て他の改造に使ったものの余りです。
基本的にセイバータイガー(昔風にいうとサーベルタイガー。う〜ん、ノスタルジィ)のもの。
中央のビーム砲のみアサルトユニット付属のもので、砲身は趣味で単純な円柱にしてます。
ぞろぞろといて、あまり強くはないゾイド、ってのを考えながら作ったので、あまり特殊&強力な 武器は装備させてません。
武器はボールジョイントで接続してあるのでフレキシブルに可動する、ハズだったのですが、
実際はコクピットカバーに干渉してあんまりフレキシブルじゃないです。


コクピットオープン。
しかし、頼りないコクピットだなあ(笑)。
ディロフォースのコクピットのままでも良かったのですが、
超高速ゾイドでもないのに、あのライディングスタイルはどうなんだろうと思ったのと(笑)、
でっち上げ設定でも触れましたけどあんまりにも露出し過ぎだろう、ということで改造してみました。

作ろう!と思った方がいたかどうかは別として/笑) コイツ、やる気になれば誰でもできる簡単な改造でできちゃいます。
今回、テーマとして『できるだけディロフォースのみで作る』という目標を 自分に課していたのですが、結局自分は色々使ってしまいました。
ですが、コクピットをディロフォース純正のままにすれば、耳としっぽ、足首のBJくらいしか必要のない、お手軽改造になったかな、と思っております。

あ、これは大前提なんですけど、設定は殆どでっち上げです。
ヘリック共和国戦史研究所主任研究員ローランド・S・ハワード・ミューラーだとか、
ノンフィクション作家エル・エメルソンなんて人は公式設定のどこにも出てきませんので悪しからず、です(笑)。


注:ここに掲載されている設定は激しく捏造です。公式設定とは著しく異なる点もございますので、ご留意ください。

--- back to ZOIDS top ---