レドラー
REDLER
ゼネバス帝国 デスザウラー親衛隊仕様
●デスザウラー親衛隊とは
旧ゼネバス帝国が開発した超大型機獣デスザウラーは単機決戦能力に優れ、大変強力なものであったが、機体が大型のため空からの脅威に脆い面があり、また指揮統制能力を有していないという欠点も存在していた(これはゼネバス帝国製大型ゾイド全般にいえることであった。ヘリック共和国擁する大型ゾイドウルトラザウルス及びマッドサンダーが諸レーダー群を搭載しているのに対し、デスザウラーには帝国標準仕様の複合レーダーが飾り程度についているのみだった)。
それを補い支援するため、ZAC.2046年に編成されたのが俗にいう“デスザウラー親衛隊”である(正式名称については諸説あり、ZAC.2109年現在においても明らかとなっていない)。
当部隊はデスザウラーを旗機とする中隊規模の特殊部隊で、主な配備機体はレドラーやブラックライモス、ディメトロドン、グレートサーベルなど当時の最新鋭ゾイドばかりであった。
また、ゾイド24と呼ばれる諸機体も配備されていたようだ。
所属機はデスザウラーに合わせた黒と赤の機体色で統一されていたという。
現在、ネオゼネバス帝国にも同名の特殊部隊が存在しており、ネオゼネバスのゼネバス回帰主義(共和国兵士曰く湿っぽい懐古主義)を端的に現しているといえよう。
...ZAC.2109 記

●レドラー デスザウラー親衛隊仕様
タイプ:ドラゴン型
全長:17.0m
全高:6.0m
戦闘重量:35.2t
最高速度:M3.4
乗員:一名(複座型も存在が確認されている)
武装:ストライククロー(ランディングギア兼用)×4
可変式レーザーブレード
20mmチェーンガン
今は亡き旧ゼネバス帝国が作り上げた高高度空中戦闘用ドラゴン型機械獣、それがレドラーである(ロールアウト当時及び旧大戦時には“始祖鳥型”とされていたが、現在の資料では“ドラゴン型”とするのが一般的である。これは地球人とゾイド人の間で翻訳される際に、行き違いがあったためと思われる)。
ロールアウトはZAC.2045年。共和国の大型爆撃ゾイドサラマンダーとその簡易型量産機プテラスによって奪われた制空権を取り戻すべく開発された。
高い運動性、旋回性能と当時最速の飛行性能、それに加えVTOL(垂直離着陸)能力まで有する大変優秀な空戦機である。
だが、実用化直後は当機の有用性を疑問視する声も少なくなかった。
前腕が翼状になった二足歩行型飛行ゾイドが主流だった当時、レドラーのような四速歩行型の飛行ゾイドは異端的な存在であったのである。
そんななか初実戦を迎えたレドラーであったが、プテラスと大空中戦を演じ圧勝、帝国首脳部の不安を払拭した。
その後ヘリック共和国やガイロス帝国が実用化した飛行ゾイドの数々がレドラーと同様の四速歩行スタイルをとっていたことから、当機の先見性が窺える(ガイロス帝国軍ガン・ギャラドも飛行時は四足形態に移行した)。
また、西方大陸戦争開戦時、ライバル機プテラスがロートル化から爆撃機に転換されたのに対し、レドラーは主戦闘機としてガイロス帝国空軍に採用されている。当機が現在もなお優秀であることの証明である。
しかし、傑作空戦ゾイド レドラーにも欠点がないわけではない。
空中での機動性を重視したあまり、ウェポンラックが犠牲になってしまっているのだ。
固定武装としてランディングギア兼用のストライククローとすれ違いざまに対象を切り裂く斬撃兵器レーザーブレードを搭載しているが、どちらも純粋な格闘用武装であり遠距離から攻撃を仕掛けるようなタイプの飛行ゾイドや、地上のゾイドに対する攻撃手段をもたないことが弱点といえる(熟練したレドラーのパイロットはレーザーブレードを展開したまま地上すれすれを背面飛行することで、地上の敵を殲滅したといわれている)。
そのため、レドラーはゼネバス製ゾイドにしては珍しくパイロットの技量を要求する機体だといわれている。
ウェポンラックの少なさに加えフレーム自体の剛性やエンジン出力などの問題もあって追加武装など望むべくもなく、爆撃機や対地攻撃機への転用は不可能となってしまっているのが実情だ。
デスザウラー親衛隊仕様のレドラー及び後期生産型のレドラーには追加武装として機首部ハードポイントに軽量な20mmチェーンガンが増設されているが、その攻撃力は微々たるもので、主に対陣地攻撃に用いられている。
親衛隊仕様のレドラーと通常機との外観的な違いはカラーリングとチェーンガンのみであるが、内燃機関がチューンされており通常機よりも高い機動性をもつ(その反面、この強化型エンジンはデリケートな代物で、メカニック泣かせだったらしい)。
ゼネバス帝国がガイロス帝国に統合された後に開発されたガイロス仕様レドラー(通称ブラックレドラー)は、この親衛隊仕様レドラーを母体として開発されたといわれている。
ネオゼネバス帝国が勃興した現在、同軍にも当機と同様のカラーリングが施されたレドラーが多数配備されている(ネオゼネバス特有の懐古主義と揶揄されることも多々ある)。
このネオゼネバス仕様のレドラーは強化が著しく、従来のレドラーとは一戦を画す性能をもつようだ。
...ZAC.2109 記