“黙示禄の騎士”
--Knight of Apocalypse--





古の戦士。





遥か古代…人々が“混沌”と呼ぶ時代に生きたと言われる勇者。
それがラザである。





“混沌”の時代を伝える文献、資料などは、
皆無と言っても差し支えがない程に少ない。
それでも、“混沌”の時代に端を発すると思われる伝承や言い伝えは、
おぼろげながらも現存している。
その伝承などが、どれほどこの人物を正しく伝えているのかは定かではないし、
それ以前に、彼が実在の人物であるという確証さえ、ない。





とある村の伝承によると、彼は銀の鎧を纏い、
銀の盾を持ち、炎石でできた剣を帯びていたという。





彼がどのような人物であったのか。
我々にその真実を知る術はないが、
剣の腕に優れた、清廉な人物だったと伝承は伝えている。








R A Z A
ラ ザ

三人の戦士がおったとさ
マアは谷に落ちて痛い痛い
ヤガは罠に落ちてぺっちゃんこ
ラザは闇に落ちて何処かへ行っちゃった

さあ 若人よ
過去を振り返れ
未来を見ろ
カイルアを越えろ
銀の海を渡れ

上記の奇妙な文章は、ラ・ハナウ村に伝わる童謡の歌詞である。
この童謡は「三人の戦士」という名で子供たちに親しまれており、
主に彼らの遊び(鬼ごっこのようなもの)の際に歌われている。
童謡や童話というものは大概、
何らかの、実際に起こった事柄をモチーフにしている。
「三人の戦士」の歌もそういった類いのものであると推察される。

「三人の戦士」とはつまり、村勇者のことであろう。
韻を踏んでいるような「〜に落ちて」の部分も、
単純に、面白おかしく教訓を説いているものだと考えられる(子供向けの伝承などに多く見られる手法である)。
ただ、三番目の戦士…ラザの「闇に落ちて」の解釈は各学者によって異なっているようだ。
また「過去を振り返れ」以降の歌詞の解釈に関しては、全く解明されていない。
語呂がいい単語を集めただけだとか、
何かを暗示したものであるとか、多くの説がある。

さて、歌詞中に登場する三人目の戦士“ラザ”とはつまり、
今回紹介する“ラザ”と同一の人物であると思われる。
この“ラザ”という勇者は、度々伝承に名を現す。
その為、“混沌”の時代を生きた人物の中では、
比較的人と形がはっきりとしている(それが事実とは限らないし、この人物の実在の証拠とも限らないが)。

彼は「イグ・ナイ村」という名の村の勇者で、
由緒ある家柄の生まれだという。
お気づきと思うが、我々の知る限り、イグ・ナイという名の村は存在しない。
これも、この人物を語る上での謎のひとつである。
また、彼が手にする剣は、炎石(ほむらいし、と読む)で形成されているという。
炎石とは、ラ・ハナウ村周辺で採取されることで知られる鉱石である。
偶然にも?上記した詩を始めとして、ラザに関する伝承はラ・ハナウ村に集中しているように思える。
彼とこの地域には何らかの関連があるのかも知れない。

…以上が、私の今回の調査及び研究で解き明かした事柄の全てである。
残念だが、ラザの実在を証明するような確たる証拠を得ることはできなかった。
その為、全てにおいて疑問符付きにせざるを得ないのが実状である。
これはひとえに私の力不足のせいであると思う。
が、「彼は実在した!」という確信と手応えを私は感じている。

古に生きたという勇者ラザ。
彼はまさしく、“混沌”とでも言うべき深い謎に包まれた存在である。
しかし何時の日か、彼が実在した人物であると証明したいと思う。

ハク・ガカクのサイエ著 「伝承とその真実 第二巻」より抜粋




Shi-Shi解説、というか言い訳というか。

実在したのか解らないシリーズ第二弾(笑)。
相も変らず歯切れが悪くてすまんなさいです。
現時点では謎だらけで何ともですが、
大事な役どころ…というか、居ないと話が成り立たない!くらいの重要人物だったりします。

テキストの形式がまた変なことになってますが、
こーいうの好きなんです(笑)。

モデリング的には特に苦労もなく、
行き当たりばったりに作ったので語るべきこともないんですけどねこれが(ぇ)。

余談ですが、このページの文章を書いてる最中、それも殆ど完成しかけた時に、
一度強制終了されちゃってかなり凹みましたorz
…いやあ、意外と、同じ文章って二度書けねぇんだよなぁ(笑)。


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